歯周病とは、細菌の感染により引き起こされてしまう炎症性疾患であり、歯の周りの歯ぐきや、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
歯を失う原因の約60%は歯周病と言われております。
歯と歯肉の境目のポケットと呼ばれる部分の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞してしまい、歯肉が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが痛みはほとんどの場合ありません。
さらに進行すると膿がでたり歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。
1.口の臭いが気になる・指摘されたことがある
2. 歯みがきをすると出血する
3. 朝起きたら口の中がネバネバする
4. 歯肉を押すと血や膿が出る
5.歯ぐきが下がって歯が長くなった気がする
6.歯ぐきが赤く腫れている
7.歯と歯の間に物が詰まりやすい
8.ときどき歯が浮いたような気がする
9.歯並びが変わった気がする
10.指で触ってみて歯が揺れている気がする
歯周病の可能性があるため、歯磨きのしかたを見直しましょう。軽度のうちに かかりつけの歯科医院にて治療を受けましょう。
中等度以上に歯周病が進行している可能性 があります。早期に歯周病の治療を受けましょう。
これからもきちんと歯磨きを心がけ、少なくとも1年に1回は歯科検診を受けましょう。
歯周病の原因については大きく分けて2種類あります。
歯肉炎・歯周炎を含む歯周病の直接的な原因は、歯垢(プラーク)です。歯垢(プラーク)は生きた細菌の塊で、そのほとんどが酸素の少ない場所を好むため、歯周ポケットに潜んでいます。
この歯垢(プラーク)中の細菌が出す毒素によって、歯ぐきに炎症が起きてしまうのです。
歯肉炎・歯周炎を含む歯周病は、口腔内の環境や生活習慣にも間接的な原因となるリスクファクター(危険因子)が潜んでいます。歯肉炎のケアには、適切なブラッシングで歯垢(プラーク)を取り除くことと、リスクファクターを少なくしていくことが必要です。
・歯石
・歯並び
・不良習慣
・不適合な被せ物(クラウン)
・ストレス
・運動不足
・食習慣
・喫煙
・睡眠不足
また、喫煙は歯周病を悪化させる大きなリスクファクターです。喫煙は血管を収縮させて血行不良を引き起こします。見かけの歯ぐきの炎症は少ないのですが、歯周病細菌に対する抵抗力が低下し歯周病を重症化させます。また歯周病治療においても、喫煙者では治りが悪いことがわかっています。
歯周病と糖尿病には深い関係があります。糖尿病患者は歯周病になりやすく、反対に歯周病があると血糖値のコントロールが難しくなり糖尿病になりやすくなります。糖尿病の発症や症状を抑えるためにも、歯周病の治療や予防は大切です。
妊娠中の早産や低体重児出産も歯周病と関連しています。歯周病によって口腔内で産生される炎症物質が血液を通じて胎盤や羊水に到着し、早産や低体重児出産のリスクを高めます。妊娠中は歯周病になりやすい体質にもなっているため、適切な口腔ケアと定期的な受診が重要です。
歯ぐきは赤く腫れた状態で、簡単に出血しやすい状態が続きます。それに加え、歯を支えている骨が破壊されてくるので、歯ぐきも下がり始めます。それによって冷たいもので歯がしみやすくなる知覚過敏を起こしたり、ものが詰まりやすくなったり、歯が長く見えたりするようになります。
・ブラッシング指導
・スケーリング
・スケーリングルートプレーニング
歯を支える骨が溶けている状態です。 中等度歯周病まで進んでくると、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてきてしまい、歯がぐらつき始め、歯ぐきの腫れはひどくなります。
・スケーリング
・スケーリングルートプレーニング
・フラップ手術
・歯周再生治療
重度歯周病はいわば末期の状態です。 歯を支えている顎の骨(歯槽骨)がほとんど溶けてしまうため歯根(歯の根っこ)が露出しまいます。歯はものが咬めなくなるほどグラグラな状態になり、歯が抜けてしまうこともあります。
・歯周再生治療
・歯周補綴
・歯周外科
・歯周再生治療
歯周再生治療とは、歯周病により失われた歯周組織(歯肉・セメント質・歯根膜・歯槽骨)を再生させる目的で行われる治療のことを指します。
具体的には、歯肉を切開してプラークや歯石などの歯周病の原因となるものを除去した後、骨の欠損部に種々の歯周組織再生材料を適用し、縫合することにより治療を行います。
歯の発生の際に重要な役割を果たすタンパク質であるエナメルマトリックスタンパク質を含んだ歯周組織再生材料。
骨再生の促進が期待される吸収性のコラーゲン膜。
歯周病により失ってしまった歯を支える骨を、人工の骨補填材を使用することにより骨を再生させていきます。
顎全体のレントゲンを撮影し、歯の状態や歯茎の骨を検査することで状態を確認します。
問診を行い、歯茎のポケットの深さを測ります
今の状態をお伝えし、治療計画を立てて行きます。
スケーリングと呼ばれる歯の表面の歯石の除去や、SRPと呼ばれる歯茎のポケットに付着している歯垢(プラーク)や歯石を除去します。
歯周病が進行してしまっている場合は、歯茎の内部にまで歯垢や歯石が付着してしまっていて歯周病の原因になっているため、歯茎を切開しその中に付着している歯垢や歯石を除去します。
歯周病は一回の治療では完了しません。通常3ヶ月に1度ほど、重度の歯周病の方で1カ月おきの継続的な施術、クリーニングが必要になります。
歯周病は初期段階の自覚症状が少ない病気です。
痛みない状態で症状が進行するため、気づかぬうちに症状が進行しているケースも少なくありません。
症状が目立つようになると、歯肉の赤みや腫れ、膿などが現われ、最終的には歯がなくなる可能性もあります。
取り返しのつかない状況を防ぐためにも、定期的に歯科検診を受けることが重要です。
歯周病を見分けるときは以下のセルフチェックをおこなってみましょう。
以下の症状がでる場合は早めの受診をおすすめします。
◇セルフチェック◇
・歯磨きのときに出血する
・朝起きたときに口のなかがネバつく
・周りから口臭をよく指摘される
・歯肉が下がって歯が長く見えるようになった
・体調が悪くなると歯肉が腫れる
・歯を触ると浮きや揺れを感じる
歯周病の初期に見られる症状は、歯や歯肉に細菌がたまったときの歯肉周辺の炎症で、赤みや腫れが起こります。
さらに進行すると歯肉や歯を支える骨が溶けて、歯肉から膿がでたり、歯がグラグラする症状が目立ちます。
最終的には歯を抜かなければならない状態にもなるのです。
歯周病の症状は自覚症状がない場合でも進行している可能性があるため、必要なタイミングで受診のタイミングを逃してしまいがちです。
症状が大きく目立たない場合でも、定期的な受診を怠らないようにしましょう。
口臭の他にも歯肉の赤みや腫れが見られている場合は、歯周病が原因かもしれません。
歯周病による口臭は、歯周ポケット(歯と歯肉の間にできた溝)に細菌が住み着くことにより、硫化水素やメチルメルカプタンという悪性物質がたまることで起こります。
肺がんや扁桃炎、肝硬変などの口臭の原因になる病気がなかったり、朝の起床時以外でも臭いがある場合は、早めに歯科に受診してみましょう。