静脈内鎮静とは

静脈内鎮静法（IV sedation）は、点滴により鎮静薬を静脈内に投与し、リラックスした状態で治療を受けられる麻酔法の一つです。全身麻酔とは異なり、意識は保たれたまま眠気や安心感が得られるのが特徴です。多くの方が「うとうと眠っている間に治療が終わっていた」と感じるような状態になります。

歯科治療に対して強い不安を感じる方や、嘔吐反射が強く治療に支障が出る方、長時間の外科処置が必要な方などに適しており、痛みや恐怖を大幅に軽減することが可能です。

当院の静脈内鎮静の特徴

麻酔科の専門医による対応

当院では、安全かつ確実な鎮静を実現するため、麻酔科の専門医が来院し静脈内鎮静を行います。大学病院や総合病院での麻酔経験を積んだ医師が、患者様の全身状態をモニタリングしながら薬剤の投与量を調整。万が一の緊急時にも迅速な対応が可能ですので、安心して処置を受けていただけます。

完全個室での対応

治療は完全個室で行われます。他の患者様の視線や音を気にすることなく、プライバシーに配慮された静かな環境でリラックスしてお過ごしいただけます。術前から術後まで、安心して快適にお過ごしいただける空間づくりを心がけています。

静脈内鎮静はどのような方が対象になるのか

外科手術を受ける方

インプラント手術、親知らずの抜歯、骨造成など、侵襲の大きな処置では、治療時間が長くなることが多く、ストレスや痛みへの不安が増す傾向にあります。静脈内鎮静を併用することで、長時間の処置も快適に受けていただけます。

嘔吐反射が強い方

口腔内に器具が入ると「オエッ」となる嘔吐反射が強い方は、通常の治療でも困難を伴うことがあります。鎮静薬により反射が抑えられ、無理なく治療を受けていただくことが可能になります。

歯科恐怖症の方

過去の治療経験がトラウマになっている方や、歯科に行くだけで強い不安や緊張を感じる方にも、静脈内鎮静は非常に有効です。意識は残しつつも不安感が和らぎ、治療に対する恐怖を大きく軽減できます。

静脈内鎮静の流れについて

事前診察・カウンセリング

初回は問診票の記入後、全身状態の確認とカウンセリングを行います。既往歴や服用中の薬などについても詳しくお伺いします。

治療計画のご説明と同意

静脈内鎮静の適応があると判断された場合、治療計画・費用・リスクについて丁寧にご説明し、同意をいただきます。

治療当日：準備と点滴

治療当日は、リラックスした状態で来院していただきます。麻酔科医が血圧・心拍数・酸素濃度などをモニターしながら、静脈から鎮静薬を投与します。

治療開始

鎮静が始まると、患者様は眠っているようなリラックス状態になります。この間に歯科治療を行います。治療中も全身状態をモニタリングしながら安全に進めます。

治療後の休憩と帰宅

鎮静薬の効果が完全に切れるまで、個室で30〜60分程度休憩していただきます。その後、意識がはっきりし歩行が安定したことを確認してからご帰宅いただきます。
※当日はご自身での運転はできませんので、必ず付き添いの方と一緒にご来院ください。

静脈内鎮静のリスクについて

静脈内鎮静法は比較的安全な方法ですが、以下のようなリスクを伴う場合があります。

一時的な呼吸抑制や血圧低下

鎮静薬の影響で呼吸が浅くなったり、血圧が下がることがあります。これに対しては麻酔科医が常にモニタリングを行い、必要に応じて対応します。

過鎮静による意識レベルの低下

投与量によっては鎮静が深くなりすぎることがありますが、適切に管理することで防止できます。

アレルギー反応

稀に薬剤に対してアレルギー反応を起こす場合があります。既往歴を丁寧に確認し、必要に応じて前処置を行います。

術後のふらつきや眠気

治療後にふらつきや眠気が残ることがありますので、当日の飲酒・運転・重要な判断を伴う行動はお控えください。

静脈内鎮静の料金

静脈内鎮静法は自費診療となります。

料金：70,000円（＋税）／1回

※上記金額は治療費とは別にかかる費用です。治療の内容や時間により追加費用が発生する場合があります。
※健康保険は適用されませんので、あらかじめご了承ください。