皆さんはマウスピース矯正をご存知ですか?多くの方のイメージではマウスピース矯正は成人向けの矯正と思ってる方も多いと思います。後述で挙げるメリットの1つとしてあげられるワイヤーを使わないので目立ちにくいという点に関してはお子さんでも気になる子は多くいるでしょう。今回は子供でも使用できるマウスピース矯正である「インビザライン・ファースト™︎」について詳しく紹介させていただきます。

インビザライン・ファーストとは?

インビザライン・ファースト™︎は成長過程である永久歯と乳歯が混在している6歳〜10歳前後の子供を対象としたマウスピース型の矯正装置です。

特徴としては歯並びを整えられるだけでなく、顎の発育のサポートも出来ることです。金属を使用しないので目立ちにくく、金属アレルギーの心配もありません。

従来の小児矯正装置

従来の6歳〜10歳前後のお子さんに使われる矯正装置では、顎の幅を広げる急速拡大装置や床矯正、歯を並べるワイヤー矯正でした。

どれも金属を使用するので金属アレルギーの心配がある子供には不向きであり、急速拡大装置は顎の成長を促進させることはできますが、歯並びを整えることは困難です。

インビザライン・ファーストで歯を動かす仕組み

一般的なワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置をつけて、ワイヤーによって歯を連結させ、ワイヤーを引っ張る力で歯を動かしています。

インビザライン・ファースト™︎は歯が少しずつ動くようにブラケットの代わりに目立ちにくい白いプラスチックを歯に接着し、その上からその形状にそったマウスピースを装着することによってワイヤー矯正よりも弱い力で動かしていきます。1〜2週間の頻度で新たなマウスピースに付け替える必要があり、基本的には食事以外の時間、1日20〜22時間の装着が望まれます。

インビザライン・ファーストのメリット

【メリット1:目立ちにくい】

インビザライン・ファースト™︎は透明なプラスチックでできているので、装着していても目立ちません。薄く、歯茎に当たらないように作られているので不快感も少ないです。

【メリット2:自身で取り外しができる】

ワイヤー矯正は取り外しができないので、カレーなど食べ物によってはブラケット等に着色してしまったり、食べ物が詰まりやすいなど不便なことが多いですが、インビザライン・ファースト™︎は食事の際に取り外し可能です。なので装置を気にせず普段通りに食事を楽しめます。また歯磨きも装置を外して行うので口腔内も清潔に保つことができます。

【メリット3:破損しづらく、口腔内を傷つけるリスクが少ない】

ワイヤー矯正は稀にワイヤーがブラケットから外れて口腔内を傷つけてしまうことや、スポーツでの接触や転倒した時にブラケットやワイヤーが唇や頬の内側に強くぶつけて怪我してしまうことがあります。しかしインビザライン・ファースト™︎はプラスチックで作られているので柔らかくしなやかなのでぶつけても怪我のリスクが少ないです。

【メリット4:ワイヤー矯正にくらべて痛みを抑えられる】

ワイヤー矯正は調整を行う度に大きな力が歯に加わるために、痛みを感じやすいといわれています。しかし、インビザライン・ファーストの場合は、微力の力を少しづく加えて歯を動かしていくので、痛みの感じ方には個人差がありますが、ワイヤー矯正に比べると痛みを感じにくいといわれています。

インビザライン・ファーストのデメリット

【デメリット1:装着時間を守れないと歯が動かない】

前述した通り、1〜2週間ごとに新しいものに付け替え、一日20〜22時間装着していなければなりません。それが守れないと治療期間が伸びたり、計画通りに歯を動かすことができず、マウスピース自体を作り直さなければいけない場合もあります。また、矯正を終えた後もリテーナーという保定装置をしっかりつけていなければ後戻りといって移動させる前に少し戻ってしまいます。このことを理解して自分で管理できない方はあまりおすすめできません。

【デメリット2:適用条件がある】

インビザライン・ファースト™︎の対象年齢は原則6歳〜12歳までの子供です。また、歯並びには単なる歯列不正とは別に顎の骨が原因の場合もあります。ケースによっては改善が難しい場合もあります。

まとめ

今回は「インビザライン・ファースト™︎」についてご紹介させていただきました。基本的に子供の歯列矯正は後に生えてくる永久歯のスペースを作ってあげることがメインとなりますが、インビザライン・ファースト™︎は歯を並べるスペースを確保するために顎の成長をサポートし、歯並びも整えることが可能です。

大人になってからの矯正は歯が並び終わった後、顎の成長を終えた後に整える治療です。顎の成長具合によっては歯並びを整えるだけでは根本的な解決が難しく、顎の位置を整える外科的な手術が必要な場合もあります。小児矯正(一次矯正)は顎と歯並びの調和をとるという意味でもとても大切です。

インビザライン・ファースト™︎は6歳〜10歳前後を対象としますが、適切な開始時期には個人差があり、適用できない症例もありますので、ご希望がある場合はぜひ一度ご相談にいらしてください。